予防歯科
予防歯科の必要性
健康な歯の大切さに気付いて頂きたい
歯は1度虫歯になったら(削ったら)、元には戻りません。私たちは一生懸命治療しますが、人工のもの(つめもの、かぶせもの)で補うだけです。そして人工のものは、残念ですが、ご自身の歯にはかないません。一生もつわけではないのです。
ですから、悪くなる前に定期的に来院して、虫歯や歯周病の原因であるバイオフィルムの除去(クリーニング)が必要です。また、痛くない時に来院してもらうことで、治療に対する恐怖心がある方にも、リラックスして頂けると思います。
歯を失う原因は、むし歯と歯周病が多い
歯を失う2大原因は、むし歯と歯周病です。むし歯、歯周病予防には歯磨きが欠かせませんが、多くの人が歯磨きを毎日やっているにも関わらず、むし歯や歯周病にかかり、その都度治療を受けながらも、いずれは歯を失ってしまっています。つまり、悪くなってからの治療を続けていると、いずれ歯をどんどん失っていくリスクが高くなるのです。
ですが、過度に恐れることはありません。むし歯や歯周病は予防することが可能な病気です。予防歯科を積極的に実践していくことで、むし歯や歯周病は予防していくことができるのです。
むし歯と歯周病を防ぐためには?
むし歯と歯周病を防ぐためには、次の3つのポイントを実践することが大切です。
ご自分のリスクを把握する
むし歯や歯周病のかかりやすさ、「リスク」には個人差があります。むし歯、歯周病の予防のためにはご自分のリスクをまずは把握しておくことが大事です。そのためには生活習慣、食習慣なども含めて見つめ直してみる必要があります。
原因を徹底的に除去する
むし歯と歯周病の原因となる細菌の塊「バイオフィルム」を、歯のクリーニング「PMTC」で隅々まで徹底的に取り除きます。
継続的にケアを行う
正しいお口のケア方法を毎日ご家庭で実践していただきながら、定期的に歯科医院で専門的なケアを行う、これを継続していくことが大切です。
予防処置の方法
歯のクリーニングPMTC治療
しっかり歯磨きをしているのにどうして虫歯や歯周病になるんだろう・・・・・と疑問に感じたことはないでしょうか?
毎日の歯磨きで念入りにブラシで磨いていても、歯の細かい溝、歯と歯のあいだなどに磨き残してしまうことが多く、原因はその磨き残しです。磨き残しの口内の細菌はバイオフィルムの中で繁殖し、悪影響を与えています。
その細菌のバイオフィルムを壊すことを目的とした治療がPMTCです。
PMTCと通常のクリーニングのちがい
PMTCとは、歯のプロである歯科衛生士や歯科医師が、専門技術で機械を使って歯に付いた汚れを徹底的に落として、完全にキレイにする治療のことです。
ふだんの歯磨きではどうしても残りがちな、歯に付いた汚れをプロの専門技術で完全にキレイにすることで、虫歯や歯周病になりにくくなるという効果があります。
PMTCの流れ
染め出し検査
歯の染め出し検査などを行い、お口の中を検査して、現在のお口の状態を説明し、今後のお治療方針をご相談します。
歯石除去
専用の器具を使って歯石を細部まで取ります。
研磨
専用のジェル(フッ素配合)を使って、歯と歯の間や表面を1本ずつ丁寧に磨きます。
フッ素塗布
仕上げに、口の中を洗い、歯質を強化するフッ素を塗布します。
ブラッシング指導
歯磨きはほとんどの人が毎日実践していますが、正しい方法で行わなければ効果がないだけでなく、歯や歯茎に害をもたらすこともあります。 歯並びやお口の状況というのは一人一人異なります。
ブラッシング指導では、歯の清掃の専門家である歯科衛生士が、患者様ごとに合った最適で効果的な磨き方を丁寧にアドバイスし、ご家庭でむし歯、歯周病予防効果を高められるようにしていきます。
定期検診
むし歯や歯周病というのは、もしかかってしまった場合、初期に発見して対処することが望ましいのですが、どちらも初期に症状をほとんど出さないため、発見が遅れがちです。
多くの人は歯や歯茎に異変を感じてから歯医者を受診しますが、それでは手遅れになっていることが多いのです。定期検診を受けることによって、お口の異変をいち早く発見することができ、より良い状態を保ち続けることができます。
また、定期的にクリーニングを受けることで、むし歯や歯周病になりにくいお口の状態を保ち続けることができます。
予防歯科(メンテナンス)全体の流れ
状態チェック
お口の状態をチェック…虫歯、歯茎の状態をチェックします。必要により、レントゲン写真で確認します。
ご説明
現在のお口の状態をご説明します。
メンテナンス
プロフェッショナル・クリーニング(バイオフィルム除去)…歯石はもちろん、歯ブラシでは完全には落とせない歯石(バイオフィルム)を除去し、汚れのつきにくいツルツルの歯にします。
定期的なご予約
3~4ヵ月後のご予約をお取りします。
マイナス1歳からの虫歯予防
(プレママ予防歯科)
妊娠することにより、お口の環境が大きく変化します。『妊娠により歯がボロボロになった….』という話を聞くことがありますが、妊娠における体のメカニズムを考えると、それは当たり前の事なのです。
妊娠前から歯医者さんに通うことで、これらを防ぐことが十分可能ですが、妊娠してからでも遅くはありません。妊娠中期、つわりが落ち着いた頃に歯周病や虫歯のチェックにお越しください。
妊娠中の歯科治療
妊娠中でも、歯科治療を受けてはいけない時期というものは特にありませんが、胎児の状態が比較的安定している妊娠中期(妊娠5ヶ月~8ヶ月)が望ましいでしょう。
妊娠初期ですと、使用する薬剤によって、胎児への影響が心配されたり、または過度の緊張状態によってお母さんの精神状態が不安定になり、流産を引き起こす危険がないとも限りません。
また、妊娠後期になりますと、急に仰向けになることにより低血圧を引き起こしたり、初期と同様に過度の緊張状態により早産になってしまうこともあります。
妊婦の予防歯科プログラム
歯石クリーニング
0歳からの予防歯科プログラムとして、妊産婦のお口の健康を守るための予防歯科治療を行なっています。妊娠時期に注意しながら、お気軽にお問合せください。
ブラッシング指導
つわりの状況をみながら、小さめの歯ブラシによるブラッシングなど、より苦痛なく確実にお口の中を綺麗にできる歯みがき指導を行います。どうしても歯みがきがつらい場合は、1日に数回の洗口だけでも行うように指導します。
お口の中のチェック
虫歯・歯周病の有無を始め、お口の中の状態をチェックします。歯茎に炎症が起きていないか?歯石がたまっていないか?などを丁寧にチェックし、必要に応じて予防処置を行います。
レントゲン撮影
レントゲン撮影は、必要な場合のみ行います。レントゲン撮影が必要な場合には、防護エプロンを着用し、被曝に気を付けて行いますのでご安心ください。また、低被曝のデジタルレントゲンを使用します。
麻酔
麻酔が必要な治療の場合でも、一般的に歯科麻酔は局部麻酔なので、通常量の使用では母子ともに全く影響はありません。妊娠中期以降であれば、問題がございませんので、お気軽にご相談ください。
投薬
原則として妊婦への投薬はいたしませんが、痛みがひどい場合などは、産婦人科医と相談の上、投薬する場合もございます。痛みがひどくなり、投薬が必要になるまで、歯のケアをしないでおくことはお勧めできません。できるだけ早く、歯科医院で歯の検診を行っていただくことをお薦めします。
妊娠中から、
赤ちゃんの食育は始まっている!?
お母さんが食べたものによって、羊水の味が変化するってご存じでしたか?
お腹の中の赤ちゃんは、胎盤から摂る栄養や、羊水の味を「初めての味覚」として体験します。
お母さんが妊娠中によく食べていたものが、お子さんの好物だという方もよくいらっしゃいます。生まれてからも好き嫌いのない子供にするためには、妊娠中からお母さんが色々な食べ物を偏りなく食べることが大切なのです。
また、胎児の乳歯や永久歯は、お母さんの胎内にいるうちからでき始めます。歯を強い子にするためにも、お母さんはカルシウムやバランスのとれた食事を心がけましょう。